女の子として好かれること、人として好かれること
私は、ずっと勉強ができなかった。
兄弟は勉強もスポーツもできるのに
私はどちらも得意じゃない。
いわゆる、どんくさいおバカちゃんだった。
そんな私に、親や親戚がよく言ってくれた言葉がある。
「あなたは可愛いから大丈夫よ」
愛情で言ってくれていたことは、子どもながらにわかっていた。
でも同時に
勉強もできない、運動もできない私には
“可愛い”しかないと言われているような気もしていた。
だから、いつの間にかこう思うようになっていた。
「私は、可愛くなければ存在価値がないんだ」
可愛くいなきゃ。
女の子として魅力的でいなきゃ。
そんな強迫観念のようなものが、少しずつ私の中に生まれていった。
じゃあ、可愛いってどうやって証明するんだろう。
子どもだった私が出した答えは
「異性からモテること」だった。
小学2年生の頃にはもう
男子から好かれる女の子でいなきゃ、という意識があった。
そのおかげなのか
男性に好かれる方法は、自然と身についていった。
風俗を始めてからも、売れない時期はほとんどなかった。
未経験の新人の頃から
本指名で返ってきてくださるお客様はどんどん増えていった。
でも、このお仕事をしている中で気づいたことがある。
女の子として好きになってもらうことは
実は、とても苦しい。
だって、その気持ちを同じ形では返してあげられない。
お客様に好かれるための私は
どこか本物の私ではない気がしていた。
関係性の間にはお金があって
相手から向けられる「好き」が重たく感じることもあった。
好かれるほど苦しくなって
どんどん心が疲れていった。
だから私は、風俗を卒業する未来を考えるようになった。
そのためにたくさん勉強した。
次の未来に向かって、必死に頑張った。
すると、少しずつ変化が起きた。
「女の子として好き」ではなく
「人として好き」と言ってくださるお客様が増えていった。
そのとき初めて、私は気づいた。
女の子として好かれることと
人として好かれることは、まったく違う。
関係性が違う。
苦しさが違う。
自分の心の在り方が違う。
そこから私は
女としての自分磨きだけではなく
人としての自分磨きを頑張るようになった。
そうしたら、お客様からいただく「好き」が
どんどん嬉しいものに変わっていった。
関係性も変わった。
自分自身の受け取り方も変わった。
風俗というお仕事を通して
失ったものも、もしかしたらあるのかもしれない。
でも、私はこのお仕事を後悔していない。
それはきっと
この経験を通して、自分のコンプレックスと向き合えたから。
そして
「女の子としての価値」だけではなく
「人としての価値」を育てていく大切さを知れたから。
このお仕事をしている女の子の中には
いろんなコンプレックスと戦っている子がいると思う。
可愛くなきゃいけない。
売れなきゃいけない。
好かれなきゃいけない。
必要とされなきゃいけない。
そんなふうに、自分で自分を苦しめてしまうこともあると思う。
だから私は
そのコンプレックスの正体を、一緒に見つけていける存在でいたい。
ただ売れるためだけじゃなく
このお仕事を通して
自分自身を少しずつ好きになれるように。
女の子たちが
女の子としてだけではなく
ひとりの人として、大切にされる未来を選べるように。
私は、そんな講師でいたいと思っています。
